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Sunny Ozuna [テックスメックス]


 今回取り上げるのは、Sunny Ozuna。アルバムは"Sunny's Gold"。1989年発表、レーベルはRangelです。第5節でこれまで取り上げてきた、1990年前後に出されたベテランアーティストによる一連のアルバムの系譜につながる一枚、となります。

 Sunny Ozunaは全米ヒットを持つアーティスト。オールディーズや60年代ソウルのコンピュレーションにも彼の曲はしばしば取り上げられています。また、アルバムも多数出ており、その多くが現在コレクターズアイテムになっています。
 
 このアルバムが発表されたとき、それほどピンとこなかった。
 がしかし、今回、1990年前後にテハーノのベテランアーティストが出した一連のアルバムを聞き続け、その延長でこのCDを聞いてみるとすんなり入り込むことができ、遅まきながらSunnyの歌のうまさやアレンジのセンスに舌を巻いた次第です。プロデュースがJohnny Hernandezというのも新たな発見で(それまで関心がなかった)、これも好奇心をそそられます。

 彼のバイオグラフィーについては以下を参照してください。

 まず彼のオフィシャルサイトから。

 http://sunnyozuna.com/page.asp?PageID=145

  次に「オースティンクロニクル」のコラムから。

 http://www.austinchronicle.com/gyrobase/Issue/story?oid=oid%3A388445

 以上をもとにざっと彼の経歴を紹介してみます。

 彼は本名、Ildefondo Fraga Ozuna。1943年、サンアントニオ市のサウスサイドに、9人兄弟(11人、12人という記述もあり)のひとりとして生まれ、幼少時代は、その肌の白さからBunny(white rabbit) と呼ばれ、それがやがて彼のニックネーム、Sunny となった、とのこと。
 1950年代、10代前半のころからバンド活動を始め、1957年、14歳のころには後に1971年Latin Breedを結成することになるサックス奏者、Rudy Guerraと最初のコンボを結成。1958年にデビューヒットを出したLittle Anthony and The Imperialsや、Gary Lewis and The Playboysなどがお手本となった同じタイプのバンドだった。
 
 当初はSunny Ozuna(Vo), Rudy Geurra(sax)に加えて、Norwood Perry(Bass), Al Condy(Guitar), George Sttrickland(Drums), というメンバーで、地元のクラブや軍人慰問施設などを回り、高校の授業が終わったあと、ラジオの子供番組にも出ていた。
 1959年、16歳のときに初レコーディング、"Just A Moment"。素晴らしいバラードで、とても10代の若者が歌ったとは思えない名曲。ちなみにそれから2年後1961年には若きDoug Sahmがこの曲を録音し(未発表録音は1960年に行われた)、1963年にはシングル盤としてリリースしている。

 Doug Sahmの "Just a Moment"は以下で試聴できます(Sunnyのヴァージョンは未発見)。

http://www.amazon.co.jp/San-Antonio-Rock-Recordings-1957-1961/dp/B00004RDS0/ref=sr_1_25?ie=UTF8&s=music&qid=1202170603&sr=8-
 
 要するに、Sunny Ozunaにしても、Doug SahmにしてもSan Antonioの「恐るべき子供たち」だったようで、こうした若い世代がスポットライトを浴びる土壌が、当時のSan Antonioという街にあったと言えるかもしれない。
 
 Sunnyは同世代の若者が青春を楽しんでいる間にも、ピアノのレッスンをしたり、バンド活動をこなしたり、と多忙を極めた。そうした音楽仲間のひとりにRandy Garibay(1939-2002)がいた。彼もDoug Sahmと縁の深いミュージシャンで、Dougのシングル、"Crazy Daizy"やDoug Sahm and the Dell Kings名義の録音に、ギタリストとして参加している(Doug Sahm "San Antonio Rock",Norton Records ED274より)。彼のサイトおよびバイオは以下のとおり。
 
http://www.allstar-sanantonio.com/randy.htm

http://www.tshaonline.org/handbook/online/articles/GG/fgaam.html

 一説によれば、Randy がピアノで"Talk To Me"の練習をしていたのを聞いたSunnyがこの曲をレパートリーにすることに決めた、とのこと。

 その後Sunnyは、シングルとしては、Jose Alfred Jimenez の曲" Pa, Todo El Ano "を、1962年には"Golly Gee"をColumbia系列のOkehから発表。後者も、後年Doug Sahmのレパートリーとなった。

 そして1963年、Sunnyが20歳のとき、Sunny and the SunglowsからSunny and The Sunlinersに名前を変更し、メンバーもマイナーチェンジを行い、そしてHouston のHuey P. Meauxのプロデュースにより、Teardropからシングル、"Talk To Me"をリリースした。これが全米11位の大ヒットになり、彼は一躍スターダムにのし上がった。

"Talk To Me"はこんな曲です。

http://www.youtube.com/watch?v=uVT24mNeXZU

 "Talk To Me"の作者Joe SenecaはNew Yorkベースのソングライターで、後年性格派俳優に転身、映画"Crossroad"にも出演しているとのこと。彼自身もこの曲のシングルを出したがヒットせず。Little Willie Johnのシングルは1958年トップ20ヒットになった。しかし、全米にこの曲を知らしめたのは、やはりSunny Ozunaの功績といってよいだろう。

 この曲によってSunnyは一躍スターとなり、Dick ClarkのAmerican Bandstandに出演、また高等学校の上級クラスも卒業した。その後、Foy Lee and Huey P. MeauxのTeardropおよびCrazy Cajun、Johnny ZaragozaのKeylockなどのレーベルから、英語曲もスペイン語の曲も含めて多数のシングル盤やアルバムを発表、1970年代には映画にも出演、1980年代にはFreddieからもアルバムを出すようになり、近年は、Freddie Martinez, Augustin Ramirez, Carlos Guzmanと, The Legendsというチーム名でツアーを行っている。
 The Legendsの映像は以下のとおり(リードはAugustin Ramirez,Sunny は歌っていません)

http://www.youtube.com/watch?v=1VS_x93eqvE

 Sunny Ozunaは1970年にはリンパ腺の免疫力低下による肥大で入院、手術を受けた。1987年には第1回目の、1999年には2回目の心臓発作に見舞われたが、いずれも克服している。

 ミュージシャンのインタヴューは、そのときの状況に合わせてサービス精神を発揮したり、インタヴュアーに合わせた回答をするので、いくつかのインタヴューを総合しようとすると齟齬や矛盾が生じ、本音はいったいなんなのか、わからなくなることがある。

 Sunnyの場合もそうで、Austin Chronicleのインタヴューでは(おそらくLa Onda Chicanaをクローズアップするために)Little Joe との友情が強調されているが、Manuel Pena のインタヴューでは、スペイン語で歌うのが苦手だった、と告白している。

 ラテン系音楽家のご多分に漏れず、Sunnyもたくさんのレコード、CDを出しており、彼の音楽の全貌を把握するのは、意外に難しいかもしれません。

 このCDは今から20年くらい前に出された、彼の名曲をアレンジしなおしたベスト盤で、彼の入門編としてはお勧めです。一応現在でもカタログには出ていますが、ちょっと入手しづらいかもしれません。念のため、以下サイトをお知らせしておきます(テハーノクラシックス)。

http://www.tejanoclassics.com/Merchant2/merchant.mv?Screen=PROD&Store_Code=tjc&Product_Code=BS3001&Category_Code=SOZ

 また近年の彼の活動も念のため、アップしておきます。

 まずダラスのLatin Expressとの共演。

http://www.youtube.com/watch?v=UMEq8fmUfAs
http://www.youtube.com/watch?v=HkY2o8lxQTI

次は2007年12月のテレビ出演から前半部分。

http://www.youtube.com/watch?v=rxx5JE8El5U

次はAviso Bandとの共演。

http://www.youtube.com/watch?v=mnVN7Y2glHc

 近年の映像やこのCDからは円熟したボーカリストとしての彼の姿が浮かび上がってくると思います。

 Sunny Ozunaの音楽については、例えば、R&BやSoul等のシングルコレクターのレベルやMusica Tejanaのレベル、はたまたTexas〜Louisiana周辺のSwamp Popのレベルなど多様なレベルから、捉えることができると思います。

 現在の彼は、多分米国でも日本でも、"Talk To Me"のイメージがあまりにも強いのかもしれませんが、Musica Tejanaの音楽家としての彼の側面は今後再評価されていくものと予想されます。

 

 

 


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